瞑想でココロ健やか、
カラダ美しく。
ネガティブ・ケイパビリティのオンライン(Zoom)セミナーを開催します。100分と240分の2つのコースがあります。ネガティブ・ケイパビリティの基本的な知識をおさえ、その力を支えるロゴセラピー(フランクル心理学)やマインドフルネスの考え方にふれます。
実際に瞑想にも取り組みます。ネガティブ・ケイパビリティやマインドフルネスにご興味のある方、ぜひ、ご参加ください!
お申込みはPeatixからとなります。→第19回2024. 8/31(210分)
ネガティブ・ケイパビリティとは?
ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability)とは、答えの出ない宙ぶらりんの状態を耐え抜く力のことです。
精神科医「帚木蓬生」先生は、次のように定義しています。
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」
「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」
『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生朝日選書)
ネガティブ・ケイパビリティは、イギリスの詩人ジョン・キーツ(John Keats)が、1817年に弟へ宛てた手紙の中に登場する言葉です。
それから約160年後、精神科医ウィルフレッド・ビオン(Wilfred Bion)が、この言葉を発見しました。
ビオンは、精神分析の開祖フロイトの流れを組んだ精神科医です。「フロイト、クライン、ビオン」とも言われ、フロイト以降の分析家として、2番目に名が出てくる重鎮です。
精神分析学の重鎮ビオンがネガティブ・ケイパビリティの大切さを強く主張したため、その言葉は知る人ぞ知る考え方となりました。
ビオンは、小説家モーリス・ブランションの次の言葉を大切にしていました。
「答えは、問いにとって災いである」
「答えは、好奇心を不幸にする」
そして、精神分析家が自分の学んできた「理論」にクライアント(患者)を当てはめて、性急に理解しようとすることを強く戒めたのです。ビオンは、こう言っています。
「精神分析家は精神分析を信じるべきではありません。(中略)分からないことの、疑いの、そして不確かさの混乱に持ちこたえる状態に、あなた方は留まらなくてはなりません。」
『ビオン・イン・ブエノスアイレス 1968』(著W・ビオン 編J・アグアヨ 金剛出版)P82
現在、日本では、多くの人がネガティブ・ケイパビリティの考え方を知るようになっています。帚木蓬生先生の著『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生朝日選書)が広く読まれているからです。
すぐに「答えを出せない」と、私たちは「能力が低い」と考えがちです。だから、急いで答えを出そうとしたり、答えの出ない自分を「なんてダメなんだ」と否定したりしてしまいます。
でも、たとえ答えが出なくても、自分を卑下したり、否定したりしなくていいのです。なぜなら、なかなか答えの出ない事態にあっては、急いで答え出さずにひたすら「耐えていく」ことも大切な選択肢のひとつだからです。
コロナウィルスによる世界的パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、政治家へのテロなど、私たちの生きる世界は混沌としていて、「答えの出せない」ことばかりです。
そんな混迷の時代だからこそ、ネガティブ・ケイパビリティにも価値を置く生き方が求められているのです。
ネガティブ・ケイパビリティを支える心の技法
ネガティブ・ケイパビリティは、「負の力」「陰性能力」などと訳されます。すると、積極的に問題解決を図ろうとするポジティブ・ケイパビリティ(positive capability)と比べられネガティブ・ケイパビリティは、ただ耐えるだけで「何もしないこと」ととらえられがちです。
ですが、人が辛い日々に陥った時に、「何もしない」ということはありません。日々の中で、ささやかでもできることが何かあり、そのできることを誠心誠意、行っていくことで、人は「耐える」ことができるのです。
耐えることは、自分にできる「ささやかな行い」によって支えられています。
人生は航海のようなもの。強い風が吹いてきて、人生という名の海が荒れることもあります。そんな時、風をコントロールすることはできません。でも、帆を調整することはできます。そうして、「今、できること」に集中して、荒れる海に耐に耐え、風がおさまるのを待つのです。
「コントロールできないことでは悩まない。コントロールできることに集中する」ですね!
つまり「耐える」ために必要な考え方(マインドセット)があり、何らかの方法があります。それは、ネガティブ・ケイパビリティを支える「心の技法」といえます。
100分コースでは、「心の技法」として、次の3つの考え方を紹介していきます。
- ロゴセラピー(フランクル心理学)
- マインドフルネス
- ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)
❶ロゴセラピー(フランクル心理学)
ナチスの強制収容所を生き延びた心理学者フランクルが創始したロゴセラピーは「逆境の心理学」とも呼ばれています。どうにもならない状況を耐え抜いたフランクルは、「どんな時にも人生には意味がある」と唱え、人生に意味を満たす3つの価値(創造価値・体験価値・態度価値)を提唱しました。
最後の「態度価値」とは、どんな状況であっても人間のとる態度によって人生に意味が満ちる、という考え方でネガティブ・ケイパビリティを支える考え方です。本セミナーでは、この3つの価値について解説します。
❷マインドフルネス(Mindfulness)
マインドフルネス瞑想の大家ジョン・カバットジンは、の中で、こういっています。
瞑想の本質は、”何もしない”ということです。何もしないで、あるがままに受け入れ、とき放つことによって、”全体性”を体験するのです。
『マインドフルネス低減法』(北大路書房)p309
瞑想とは、できるだけ何もしないことです。何かをしようとすれば、瞑想はくずれていきます。でも、何もしようとしないことが、確かに、人のココロとカラダにとってよりよい、何かをしていることになるのです。
この考え方は、ネガティブ・ケイパビリティに通じるものです。辛さや悲しみに耐える日々にあって、瞑想は心を健やかにする確かな技法です。
マインドフルネスの基本的なことにふれ、セミナーでは実際に瞑想に取り組みます。
❸ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)は、マインドフルネスの考え方をベースに「心理的柔軟性」(Psychological flexibility)を生み出すことで「心の健康」を維持・回復させる療法のことです。
ACTに「創造的絶望」(Creative Hopelessness)という考え方があります。「創造的絶望」とは、未来に向けて、これまでやってきたことを手放すことです。
心理療法には、ネガティブな思考を変容させたり、ネガティブな感情をコントロールしようとするものがあります。でも、ACTでは、そうしたコントロール戦略を手放し、逆に、ネガティブな思考・感情を受け入れていく(アクセプト:Accept)のです。
創造的絶望は、過去を手放すことです。過去を手放し、今置かれている辛い状況を「受け入れていく」こともまた耐える力(ネガティブ・ケイパビリティ)を支えてくれます。
本セミナーでは、ACTの基本的な瞑想ワークに取り組みます。
210分コースでは、上記の3つに加えて以下「シャドー・ワーク」と「セルフ・コンパッション」についても解説していきます。
- シャドー・ワーク
- セルフ・コンパッション
❶シャドー・ワーク
シャドー(影)とは、ユング心理学のキー・コンセプトです。シャドー(影)とは、「自分の生きなかった半面」の要素です。例えば、優しい人は、厳しい人として生きていません。厳しい人は、優しい人として生きていません。つまり、自分と反対の要素が「自分の生きなかった半面」となり、心の中でシャドー(影)となっていきます。
シャドー(影)は、人生の「つまづき石」となり苦悩の要因になっていることが多いのです。ですので、シャドー(影)に気づくこと、シャドー(影)を受け入れていくことが、苦悩に耐え打開するヒントとなります。
210分セミナーでは、シャドーを受け入れていくワークも行います。
❷セルフ・コンパッション
セルフ・コンパッション(Self compassion)とは、マインドフルネスの考え方から生まれたコンセプトです。コンパッションとは「慈しみの心」です。ですので、セルフ・コンパッションとは、自分を批判したり責めたりするのではなく、慈しみの心で自分をいたわることです。自分を思いやることです。
ネガティブ・ケイパビリティを発揮するような厳しい状況になった時ほど、セルフ・コンパッションが必要とされます。
210分セミナーでは、セルフ・コンパッションを育む「感謝の瞑想」に加えて「慈悲と慈愛の瞑想」も行います。
◆講師挨拶/自己紹介(10分)
ネガティブ・ケイパビリティについて(40分/50分)
1.ネガティブ・ケイパビリティとは何か?
ネガティブ・ケイパビリティの基本的な定義について。
2.詩人キーツの言葉
キーツは弟に当てた手紙に何と書いていたのか。
3.精神科医ビオンの考え方
ネガティブ・ケイパビリティを大切にした重鎮ビオンの考え方。
4. わかることの怖さ
ポジティブ・ケイパビリティとネガティブ・ケイパビリティ。
5. コンステレーション(ユング心理学)
辛い出来事も、点と点とつなげることで意味と物語が生まれてくる。
6.風はコントロールできないが、帆は調整できる。
耐えることは、小さな行いによって支えられている。
※休憩:5分
支える技法(40分/90分)
7.ネガティブ・ケイパビリティを支える3つ(5つ)の技法
1)ロゴセラピー(フランクル心理学)
2)マインドフルネス
3)ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)
※100分セミナーでは上記の3つまでを説明します。180分では、以下の2つを合わせて説明します。
4)シャドー・ワーク
5)セルフ・コンパッション
※休憩:10分
瞑想の実践(10分/40分)
8.マインドフルネス瞑想の実践
実際に、マインドフルネス瞑想に取り組みます。椅子に座ったままでOKです!
1)基本瞑想(鼻の呼吸)
2)アクセプト瞑想-1(ネガティブな感情を受容する)
3)アクセプト瞑想-2(ポジティブな感情を受容する)
※100分セミナーでは上記の3つまでを実践します。210分では、以下の2つを合わせて実践します。
4)感謝の瞑想(セルフ・コンパッション)
5)慈悲と慈愛の瞑想
◆質疑応答(5分)
※ 終了後の質疑応答へのご参加は自由です。
※随時、休憩をとりながら進行いたします。
※ リアルタイムの講演形式です。グループワークは行いません。リラックスしてお聞きください。
※本セミナーは Zoomを使います。ビデオはOFFのままでも結構です。
※コンテンツは当日の進行状況によって、順番を変えるなど、小さな変更があることを予めご了承ください。
- ネガティブ・ケイパビリティとは何のかを理解したい。
- 辛い日々に耐えるための考え方を知りたい。
- 日々のストレスに対処していくマインドセットやその技法を身につけたい。
- 繊細な気質(HSP)で生きづらさを感じているので、何か新しい考え方を知りたい。
- マインドフルネスについてよく知らないので、その知識を吸収したい。
- マインドフルネス瞑想を実際に、体験してみたい。
どうしても頑張れなかったり、ポジティブに考えられずに落ち込んでしまうことが多いのですが、そんな自分を責めてしまうのではなく、受け入れて耐えて、持ち堪えることの大事さを感じました。
人は(私もそうですが)すぐに結果を求めたり、問題を解決することが必要で、そのために努力しなくてはならないと考えがちです。
最近の技術の進歩とあらゆる情報の普及がさらに、その価値観に輪をかけているように思います。スピードの速さについていけなくなると脱落してしまうという怖れがさらに情報を求め、情報の海に溺れて、何が本当に必要かわからなくなってしまっているような気がします。
そんな中で、他の情報を遮断し、静かに自分に向き合うことが本当に大切なことだと改めて気づいた本日のセミナーでした。
そして、自分の本当の気持ちを大事にしながら、どうにもならないことはそのままにして、小さくても何かできることを探して取り組んでいるうちに新たな何かが始まるのかもしれないという気持ちで「待つこと」も素晴らしい力なのだということが分かりました。
「私もなかなか、すごいじゃないか。がんばってる😊」と、今日は自分を褒める気持ちになれました。
VOGUE JAPANから取材を受け「ネガティブ・ケイパビリティ」について語りました。
- 疲労の解消:ストレスによる疲れを解消し、心身を整えていく。
- 感情の安定:感情的に浮き沈みの激しい心の状態を、穏やかに沈めていくことができる。
- 思考の変容:現実のとらえ方、考え方が変化しストレスに強くなる。
- 自信の向上:自己の可能性の豊かさを知り、自分を信頼できるようになる。
- 愛情の深化:慈悲の瞑想を通して、自分や他者に対する愛情が深くなる。
- セミナータイトル:「答えの出ない辛い日々を耐え抜く力〈ネガティブ・ケイパビリティ〉を支える心の技法」オンライン(Zoom)セミナー
- 開催日時
100分コース第5回:2022年12月07日(水) 20:00-21:40(100分)
210分コース
第19回:2024年8月31日(土) 13:00-16:30(210分) - 受講費
・100分:1,000円(税込)
・210分:3,800円(税込) - 開催形式:オンライン(Zoomを使用)
- お申し込み:ピーティックス(イベント決済システム)より
- セミナー参加のお申し込みについて、イベント・コミュニティ運営システムの「Peatix」(ピーティックス)を活用しています。「Peatix」に会員登録の上、規約に従い、ご予約・参加費のお支払をされてください。
- 以下、開催日時のリンクをクリックすると、「Peatix」の予約ページが開き、お申込みできます。
- 「Peatix」でお申し込みが完了すると、「イベント視聴ページ」の案内メールが届きます。案内メールの説明に従い「イベント視聴ページ」に移動し、「イベントに参加」ボタンを押すと「Zoom」にログインでき、セミナーに参加できます。
イベント・コミュニティ運営システム「Peatix」(ピーティックス)からのお申し込みとなります。カード決済などその他の支払い方法が可能です。以下のボタンをクリックすると「Peatix」の申し込みページにジャンプします。
瞑想セラピスト/心理カウンセラー/研修講師
早稲田大学LRC(Life Redesign College)講師
松山淳(JUN MATSUYAMA)
1968年東京生まれ。成城大学文芸学部卒。瞑想歴15年
先祖代々〜曽祖父、祖父ともに「禅僧」であり、瞑想とつながり深い家庭環境に育つ。中学生時代に瞑想技法のひとつといえる「自律訓練法」に出会い生活習慣とする。
成城大学卒業後、1992年JR東海エージェンシー入社。2000年に退職。2002年アースシップ・コンサルティングを創設。独立を機に瞑想体験を深めていく。2010年 深層心理学者ユングの性格類型論をベースにする国際的性格検査「MBTI®」 の資格を取得し、「アマゾン・ジャパン」「楽天」「パナソニック」など大手企業を中心に社員研修を行う。この頃より、研修プログラムの一環として瞑想を指導。2011年、東日本大震災を契機に「フランクル心理学」への造詣を深める。
同年、Facebook-Page『リーダーへ贈る人生が輝く言葉』の運営開始。フォロワー数は、11,000名を超える。
2016年4月〜2019年3月 産業能率大学(情報マネジメント学部・経営学部)で兼任講師を務め、授業の冒頭で瞑想を学生に指導する。2019年心理学解説サイト「こころのおはなし」を開設。2020年YouTubeチャンネル「君へ贈る言葉」を開設。2021年ナチュラル・メディテーション・ジャパンの主宰活動を開始。
【著書】『君が生きる意味』(ダイヤモンド社)(中国、ベトナム、台湾、三ヶ国での翻訳決定)、『「機動戦士ガンダム」が教えてくれた新世代リーダーシップ』(SBクリエイティブ)、『バカと笑われるリーダーが最後に勝つ トリックスター・リーダーシップ』(ソフトバンク新書)『真のリーダーに導く7通の手紙』(青春出版社)、『「上司」という仕事のつとめ方』(実務教育出版)